財団法人 神経研究所
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財団法人神経研究所は、昭和26年(1951年)に東京大学精神科教授、内村祐之先生によって創設された。創立目的には精神医学の研究の発展はもとより、患者様が明るく家庭的な雰囲気の中で療養できる医療の提供(同26年附属晴和病院の設立)、そして精神衛生思想の普及と実践が含まれていた。そのため発足当初より、研究部、診療部、精神衛生部の3部門の構成となっていた。
研究部は、開設当初は特別の研究費もなく設備も十分とは言えない中でのスタートであった。昭和30年頃には禅、ヨーガの脳波研究が行われ、その後東大分院精神科に引き継がれました。昭和31年には臨床脳波室が開設され、翌32年には独立した研究室として、神経科学研究室、神経生理学的動物実験室(神経生理研究室)が新設され、以降昭和48年後半までには8つの研究室が立ち上げられた。以下、時系列で各研究室の概要です。
創設者 内村 祐之

神経科学研究室(昭和32年;第8研究室)
epマウスによる痙攣の研究や、向精神薬クロールプロマジンの生化学的研究が行われていた。後には覚醒剤中毒と精神分裂病の表現型の類似に着目した、脳の機能と物質の関係について研究された。

神経生理研究室(昭和32年;第3研究室)
神経生理学的動物実験室として開設され、ネコの海馬電気活動の研究などが行われた。昭和35年の附属病院新築に伴って、第1〜3研究室共通使用のなった後、実験的睡眠研究が進められ、自律神経機能のポリグラフィ的研究、睡眠深度、REM睡眠期の精神機能の特異性、てんかんと睡眠の関係、睡眠学習の精神生理学的研究などが行われた。
神経病理研究室(昭和33年;第6,7研究室)
扁桃核の研究が始められ、昭和35年には最新の電子顕微鏡が新設され研究基盤が整い、研究の主力は電顕的病理形態学に注がれていった。脳脂質症の研究成果を Acta Neuropath. や第6回国際電子顕微鏡学会に報告し注目を浴びた。
精神薬理研究室(昭和38年;第4研究室)
脳室内注入法と行動薬理学的手法を組合せながら向精神薬の薬理学的作用機転を究明する研究が行われてきた。昭和46年頃には「各種アミンの脳内注入によるイヌの行動変化」が研究された。対外的には同時期に「精神薬理談話会」事務局が設置され、抄読会や総会が主催されていた。

臨床精神医学研究室(昭和38年;第5研究室)
精神療法全般に関する、抄読会や症例研究会などの活動が定期的に行われていた。研究テーマは躁うつ病の問題、否定型型精神病から、昭和42年当時は精神病の病型の変化について、昭和43年からの2年間は10年前に入院した患者の予後調査のアンケートと面接調査。昭和45〜46年にかけては、「外来通院の実態」、「躁うつ病の社会不適応例の検討」、「躁うつ病再発の動機」等について研究された。

臨床心理研究室(昭和39年;第1研究室)
ロールシャッハ法による統合失調症やEST後の意識障害、絵画療法について研究された。

芸術療法研究室(昭和40年;第1研究室)
創造表現に関する精神病理的研究、精神医学の領域における芸術療法の理論と実践、そして芸術家の病跡学的研究が研究対象とされていた。昭和44年には、研究活動が活発になり、同年11月に第1回芸術療法研究会が当研究所で行われ、第4回目より日本芸術療法学会となり、当施設内に学会事務局が置かれることとなった。

生活療法研究室(昭和48年;第2研究室)
CP、PSW、OTらが所属し、生活療法における患者の動態、デイケアの問題点、院外作業の実体とその問題点、芸術療法関係との関連研究を研究の主眼として行われていた。

近年では、芸術療法関係、睡眠障害の研究が行われ、特に本多裕名誉所長はナルコレプシーの研究者として国際的に注目を集める研究がなされた。また平成14年に広瀬徹也元理事長によって「うつ病」の研究が展開され、現在研究部には睡眠学センターと精神薬理センターがある。
役員名簿情報公開公告/開示定款組織図年表
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